観光立村と農業立村

調布わいわいサロン

2015年10月29日 09:12

アルサスのワイン村3村を訪問して、住民や村長さんにヒヤリング
して感じた事の一つに、観光立村と農業(ワイン製造)立村の何方
にウエイトを置いて村づくりをするかの基本理念で政策上の差が
あるという事だった。
ワイン作りに特化したミッテンベルグハイムは人口680人、個人
農家ドメーヌ20軒で、個性的なワインづくりが特徴、但し観光客は
少ないのでグランクリューワインでも価格も安く10ユーロ前後、
不動産価格も安いので、都市部から移住して改築中の人もいる、
雇用は周辺都市(ストラスブール)に勤めに出る人も多く、豊かな
農村生活を楽しむというスタイル。





ホテルは1軒、民宿25軒、レストランは3軒で、地元客依存が強い、
職人の移住もあり、村のアイデンティティや個人のスキル重視の
政策で人が育っている印象。
一方、ワインを目玉にして観光客を多く呼び込む政策の
エグイッシュエム、ユナヴィールはワイン作りは農業協同組合での
製造が主体で大規模方式。


エグイッシュエムは人口1800人、観光客も多い(80万人)ので
ワイン単価も高い。
商工会組織も強固で多様な60人のメンバーが加入。



役場の職員も19人、助役が5人と観光に繋がる花のある街
(フランス全土で金賞受領)づくりや街並み保全など観光政策に
力点を置いており、イベント対応力は高い。





ホテルは13軒で民宿を併せて1200ベッド数と収容力大、
レストラン15軒(観光客85%、地元15%)、不動産価格も高い。
経済的な自立や雇用創出では、入りを増やし(宿泊客増)、出を
制する循環型経済(エネルギー及び農作物)の両面が必要で、
独自性のある地域資源を活かして、村の特性にあった政策展開
が必要と思われた。